外部を明晰する西欧思想、内部に包摂する東洋思想。デュアルな方法が綾なす「思構」の宇宙へ。

ギリシアやインドにおける古代の思索からはじまり、
大いなる物語の時代を経て、方法の自由を模索する思想・哲学の諸相。
アリストテレスのシステム学、ライプニッツのモナド論、ホッブスの国家論から
イコノロジー、博物学、存在の学、そして日本とアジアの先見的思弁や
ポストモダンの脱近代・脱構築にいたるまで、
思考する人類が切り開いてきた知の道のりを踏破するためのセレクション。
各時代の知をめぐるブックナビゲーションが、
新たなエディトリアリティを発見する手がかりとなる。

パープルへイズなメリーゴーラウンド 大旋回する思考の歯車射的と輪投げが遊学する世界劇場。アリストテレスとゼッタイ矛盾が書物の太鼓を鳴らしに鳴らして、アルス×方法×コンビナトリア。

数理思考と再魔術化

アリストテレスからデカルトにいたるシステム思考は、ヨーロッパ流の
機械的世界観と近代科学を生み出した。システム思考の系譜と限界をめぐりつつ、
もうひとつの「大いなる学」としてライプニッツが構想した
”アルスコンビナトリア”の手法から、近代の限界をこえるアプローチを再考する。


994夜 ウィルヘルム・ライプニッツ『ライプニッツ著作集理』

マテシスやマテマティカは、想起されるべきすべてのものを学習記憶するための方法なのだ。

No著者書名 
291 夜 アリストテレス形而上学
183 夜 エピクロス教説と手紙
874 夜 ジャンバッティスタ・ヴィーコ新しい学
994 夜 ウィルヘルム・ライプニッツライプニッツ著作集
1241 夜 モリス・バーマンデカルトからベイトソンへ
1199 夜 ジェームズ・フレイザー初版 金枝篇
1042 夜 マイケル・ポランニー暗黙知の次元
1250 夜 エドマンド・バーク崇高と美の観念の起原
1318 夜 ガブリエル・タルド模倣の法則
995 夜 アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド過程と実在
1267 夜 中村昇ホワイトヘッドの哲学
833 夜 ルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン論理哲学論考
420 夜 カルロス・カスタネダ呪術師と私

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

円環と照応のイコノグラフ

各時代の様式はその文明における精神性の現れであり、
あらゆる細部に凝らされた意匠はその文化的方法の秘密を解く鍵となる。
シンボルから意味を追求するイコノロジー、連想から連想をつなげ時代と空間を
飛躍していくビジュアル・アナロジーに、図像を自在に読み解く手立てを学ぶ。


981夜  杉浦康平『かたち誕生』

「かた」と「ち」。どちらがなくても「かたち」は誕生しない。

No著者書名 
1081 夜 山下主一郎イメージ連想の文化誌
685 夜 ルドルフ・ウィトカウアーアレゴリーとシンボル
299 夜 若桑みどりイメージの歴史
928 夜 エルヴィン・パノフスキーイコノロジー研究
13 夜 ユルジス・バルトルシャイティス幻想の中世
82 夜 ジョルジュ・プーレ円環の変貌
1012 夜 グスタフ・ルネ・ホッケ迷宮としての世界
1235 夜 バーバラ・スタフォードヴィジュアル・アナロジー
417 夜 フランセス・イエイツ世界劇場
1002 夜 ミルチャ・エリアーデ聖なる空間と時間
482 夜 フレッド・デーヴィスノスタルジアの社会学
908 夜 ヴァルター・ベンヤミンパサージュ論
981 夜 杉浦康平かたち誕生

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

東西の博物学展覧

万物への興味に由来するオブジェ感覚は、どの時代どの世界にも存在する。
ルドルフ二世の「驚きの部屋」、中国の天工開物の世界観、
ディドロ&ダランベールたち百科全書派の活躍、江戸の博物学・本草学から
モーラの巨人・荒俣宏の蒐集癖まで。モノを尽くす行為のすべてをめぐる。


982夜  荒俣宏『世界大博物図鑑』

知はつながっている。体験とは、そのつながった知のごく一部に接したということなのだ。

No著者書名 
180 夜 ディドロ&ダランベール百科全書
781 夜 ジャン・デ・カール狂王ルートヴィヒ
982 夜 荒俣宏世界大博物図鑑
401 夜 吉田光邦文様の博物誌
248 夜 ハンフリー・ジェニングズパンディモニアム
335 夜 宋應星天工開物
993 夜 三浦梅園玄語
683 夜 西村三郎文明のなかの博物学
1493 夜 ピーター・バーク知識の社会史

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

リヴァイアサンからネーションステートへ

マキアヴェリの『君主論』、ホッブスの『リヴァイアサン』、ルソーの
『孤独な散歩者の夢想』から、国家と共同体をめぐる思索がはじまった。
近代の思想的背景を探るとともに、それ以後のナショナリズム論や
大衆意識に視野を広げる。


1237夜 ジグムント・バウマン『コミュニティ』

コミュニティというものは、何も「目標のコミュニティ」とはかぎらないということだ。むしろ「通過のコミュニティ」こそが重要なのだ。

No著者書名 
799 夜 プラトン国家
610 夜 ニッコロ・マキアヴェリ君主論
944 夜 トマス・ホッブズリヴァイアサン
663 夜 ジャン・ジャック・ルソー孤独な散歩者の夢想
652 夜 アンリ・ルフェーブル革命的ロマン主義
199 夜 オルテガ・イ・ガセット大衆の反逆
821 夜 ベネディクト・アンダーソン想像の共同体
1029 夜 アントニオ・ネグリ構成的権力
1237 夜 ジグムント・バウマンコミュニティ
956 夜 姜尚中ナショナリズム
1317 夜 アーヴィング・ゴッフマンスティグマの社会学
449 夜 ロバート・ノージックアナーキー・国家・ユートピア
1201 夜 浅羽通明アナーキズム

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

感覚する意識の共同体

「われわれはどんな時代もイデオロギーや主題に惑わされている」。
人間の意識と大衆の幻想を大胆に往還する精神の系譜。
ジャック・ラカン、テイモシー・リアリー、セオドア・ローザク、ジョン・C・リリー
などの著作とともにめぐる輻輳的な意識のコリドー。


936夜 ティモシー・リアリー『神経政治学』

パスカルはとっくに「弱さ」や「小ささ」が大きな自然や巨大な宇宙に匹敵することを知っていた。

No著者書名 
792 夜 中村雄二郎共通感覚論
772 夜 ヨハン・ホイジンガホモ・ルーデンス
911 夜 ジャック・ラカンテレヴィジオン
654 夜 スラヴォイ・ジジェク幻想の感染
936 夜 ティモシー・リアリー神経政治学
366 夜 セオドア・ローザク意識の進化と神秘主義
207 夜 ジョン・C・リリー意識の中心
617 夜 ゲオルギー・I・グルジェフベルゼバブの孫への話
185 夜 高橋巌神秘学序説

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実在し不在する自己

存在への問いは尽きることはない。「世界内存在」のあり方を
探求したハイデガー、生の跳躍を説いたベルクソン、存在の美学を奏でヴェイユ、
実存の自由を求めたサルトル、さらにはシオランの生の絶望から
埴谷雄高のアフォリズムまで、無と存在をめぐる哲学のすべて。


23夜  エミール・シオラン『崩壊概論』

ぼくはいつしか未来の予定を語るのが嫌いになっている。いつしか「未来を語る者こそ貧しい」とおもうようになっていた。

No著者書名 
1212 夜 アンリ・ベルクソン時間と自由
916 夜 マルティン・ハイデガー存在と時間
860 夜 ジャン・ポール・サルトル方法の問題
263 夜 オットー・ボルノウ気分の本質
588 夜 マルティン・ブーバー我と汝・対話
23 夜 エミール・シオラン崩壊概論
1480 夜 パトリス・ボロン異端者シオラン
341 夜 ハンナ・アレント人間の条件
258 夜 シモーヌ・ヴェイユ重力と恩寵
637 夜 アーサー・O・ラヴジョイ存在の大いなる連鎖
840 夜 エリック・ホッファー波止場日記
932 夜 埴谷雄高不合理ゆえに吾信ず
1257 夜 テオドール・アドルノミニマ・モラリア
1324 夜 ジュルジュ・アガンベンスタンツェ

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

魂の痕跡学

死してなお痕跡は残る。変わりゆく世相のなかで想いを綴った観察者の随筆。
困難な時代背景のなか苦悩し、それでもなお思索し続けた革命家の記述。
パスカルの断片ノート、モンテーニュのエセー、ニーチェの超人哲学から、
レーニンの革命手記まで、激動の近代を独自に見つめた孤独な痕跡に胸をあずける。


762夜  ブレーズ・パスカル『パンセ』

パスカルはとっくに「弱さ」や「小ささ」が大きな自然や巨大な宇宙に匹敵することを知っていた。

No著者書名 
733 夜 アウグスティヌス三位一体論
345 夜 オリゲネス諸原理について
762 夜 ブレーズ・パスカルパンセ
842 夜 バルーフ・スピノザエチカ
886 夜 ミシェル・ド・モンテーニュエセー
1164 夜 アルトゥール・ショーペンハウアー意志と表象としての世界
1023 夜 フリードリッヒ・ニーチェツァラトストラかく語りき
1265 夜 ルー・アンドレーアス・ザロメルー・ザロメ回想録
104 夜 レーニン哲学ノート
130 夜 レフ・トロツキー裏切られた革命
941 夜 ダニエル・ゲラン編神もなく主人もなく
89 夜 吉本隆明芸術的抵抗と挫折

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

一途で多様な日本を想う

精緻な方法的アプローチとともに磨かれてきた日本の思想。おもかげとうつろいの国・
日本に影向し生動していたものとは何か。日本の本来に立ち戻ろうとした
仁斎・徂徠・宣長の国学ムーブメント。唐ごころに対する和ごころ。
司馬遼太郎『この国のかたち』などをひもときながら「日本という方法」を探る。


914夜  司馬遼太郎『この国のかたち』

司馬はこのような日本をあえて「異胎」がつくった国と呼び、「別国」とも言ったのである。本来の日本ではない日本、という意味だ。

No著者書名 
412 夜 福澤諭吉文明論之概略
250 夜 内村鑑三代表的日本人
489 夜 志賀重昂日本風景論
77 夜 オギュスタン・ベルク風土の日本
835 夜 和辻哲郎古寺巡礼
1229 夜 青江舜二郎狩野亨吉の生涯
1211 夜 三枝博音日本の思想文化
1008 夜 吉川幸次郎仁斎・徂徠・宣長
992 夜 小林秀雄本居宣長
564 夜 丸山真男忠誠と反逆
387 夜 長谷川三千子からごころ
69 夜 西部邁思想史の相貌
483 夜 山本健吉いのちとかたち
524 夜 長田弘・高畠通敏・鶴見俊輔日本人の世界地図
873 夜 坂口安吾堕落論
877 夜 野坂昭如この国のなくしもの
914 夜 司馬遼太郎この国のかたち
955 夜 柄谷行人日本精神分析
919 夜 ローレンス・オルソンアンビヴァレント・モダーンズ
336 夜 林達夫・久野収思想のドラマトゥルギー
1151 夜 鈴木邦男愛国者は信用できるか
724 夜 犬塚彰右翼の林檎

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

雲遊して先哲の風を聞く

色即是空、空即是色。仏教の哲学がつくりあげた鍵コンセプトである
「空」の思想史をはじめ、空海、法然、親鸞、道元、一休ら仏教者の思想に
松岡正剛が臨む。『空海の夢』『法然の編集力』とあわせて読みたい
仏教思想セレクション。


1239夜  法然『自選択本願念仏集』

法然は、“それ”を選択したのではなく、“そこ”へ選択していくというパッサージュを重視していると思われる。

No著者書名 
846 夜 立川武蔵空の思想史
1300 夜 梵漢和対照・現代語訳法華経
681 夜 高銀華厳経
750 夜 空海三教指帰・性霊集
1239 夜 法然選択本願念仏集
397 夜 親鸞・唯円歎異抄
550 夜 臨済義玄・慧然臨済録
1175 夜 無門慧開無門関
988 夜 道元正法眼蔵
927 夜 一休宗純狂雲集
187 夜 夢窓疎石夢中問答集
731 夜 白隠夜船閑話

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

西洋がうらやむアジアの先見

東洋から渡来した禅や密教は、日本で独自の文化システムに発展した。
機を悟り無相の自己を体得する禅の思想、あらゆる概念やイコンを包みこむ
豊穣な密教思想、西洋と東洋の融合を目指した西田幾多郎、田辺元らによる
京都学派の活動など、東洋の方法論とそれを継承した日本での展開をたどる。


689夜 九鬼周造『「いき」の構造』

ヨーロッパで九鬼がしきりに考えたことは、「寂しさ」と「恋しさ」とは何かというものだった。

No著者書名 
425 夜 大室幹雄正名と狂言
726 夜 荘子荘子
1278 夜 老子老子
817 夜 墨子墨子
1198 夜 伊藤仁斎童子問
1489 夜 佐藤一斎言志四録
689 夜 九鬼周造「いき」の構造
1252 夜 藤原稜三守破離の思想
1100 夜 安田武型の日本文化
1025 夜 藤田正勝・安富信哉清沢満之
1041 夜 久松真一東洋的無
887 夜 鈴木大拙禅と日本文化
469 夜 ロバート・パーシグ禅とオートバイ修理技術
275 夜 ティク・ナット・ハン禅への鍵
1086 夜 西田幾多郎西田幾多郎哲学論集
352 夜 五味康祐柳生武芸帳
829 夜 柳生但馬守宗矩兵法家伝書
443 夜 宮本武蔵五輪書
385 夜 山岡鉄舟剣禅話
605 夜 新渡戸稲造武士道

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

ポストモダンの喧噪

リオタールの「大きな物語の終焉」発言は、新たな思想ムーブメントの到来を
示唆した。監視社会の構造を暴いたフーコー、戦後のリベラルな思想を先導した
ソンタグ、資本主義の危険な兆候を見抜いたドゥルーズ&ガタリなど、
近代主義から脱し、構造をメタに再編集する戦後の思想哲学をふりかえる。


695夜 スーザン・ソンタグ『反解釈』

ぼくがニューヨークに初めて行ったときに、最初に会いたかったのがスーザン・ソンタグだったのである。

No著者書名 
159 夜 ジャン=フランソワ・リオタールこどもたちに語るポストモダン
545 夜 ミシェル・フーコー知の考古学
1082 夜 ジル・ドゥルーズ&フェリックス・ガタリアンチ・オイディプス
1028 夜 ジュリア・クリステヴァ恐怖の権力
695 夜 スーザン・ソンタグ反解釈
816 夜 ジャン=リュック・ナンシー共同-体(コルプス)
317 夜 レヴィ=ストロース悲しき熱帯
979 夜 中沢新一対称性人類学
1085 夜 今福龍太クレオール主義
1158 夜 ファビオ・ランベッリイタリア的
1227 夜 ジョン・ヒック神は多くの名前をもつ
1468 夜 ジュディス・ロビンソン・ヴァレリー編科学者たちのポール・ヴァレリー

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記

差異と変換のエスプリ

ハイパージェンダーとフェミニズムの思想は、”新たな存在学”のための
根本アプローチとしてスキャンダルな注目を浴び続けている。
マルクーゼの『エロス的文明』やノイマンの『女性の深層』をテキストに、
上野千鶴子、ダナ・ハラウェイなどを読む。アンビヴァレントで危うい自由の哲学へ。


1140夜  ダナ・ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』

こうしてハラウェイは「猿と女とサイボーグ」ではなくて、「猿と女のサイボーグ」になっていく。

No著者書名 
905 夜 リーアン・アイスラー聖杯と剣
1120 夜 エーリッヒ・ノイマン女性の深層
1127 夜 リュス・イリガライ性的差異のエチカ
875 夜 上野千鶴子女は世界を救えるか
763 夜 植島啓司男が女になる病気
302 夜 ハーバート・マルクーゼエロス的文明
433 夜 マルク・ボナール&ミシェル・シューマンペニスの文化史
1140 夜 ダナ・ハラウェイ猿と女とサイボーグ

背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記