ギリシアやインドにおける古代の思索からはじまり、
大いなる物語の時代を経て、方法の自由を模索する思想・哲学の諸相。
アリストテレスのシステム学、ライプニッツのモナド論、ホッブスの国家論から
イコノロジー、博物学、存在の学、そして日本とアジアの先見的思弁や
ポストモダンの脱近代・脱構築にいたるまで、
思考する人類が切り開いてきた知の道のりを踏破するためのセレクション。
各時代の知をめぐるブックナビゲーションが、
新たなエディトリアリティを発見する手がかりとなる。
アリストテレスからデカルトにいたるシステム思考は、ヨーロッパ流の
機械的世界観と近代科学を生み出した。システム思考の系譜と限界をめぐりつつ、
もうひとつの「大いなる学」としてライプニッツが構想した
”アルスコンビナトリア”の手法から、近代の限界をこえるアプローチを再考する。
994夜 ウィルヘルム・ライプニッツ『ライプニッツ著作集理』
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
各時代の様式はその文明における精神性の現れであり、
あらゆる細部に凝らされた意匠はその文化的方法の秘密を解く鍵となる。
シンボルから意味を追求するイコノロジー、連想から連想をつなげ時代と空間を
飛躍していくビジュアル・アナロジーに、図像を自在に読み解く手立てを学ぶ。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
万物への興味に由来するオブジェ感覚は、どの時代どの世界にも存在する。
ルドルフ二世の「驚きの部屋」、中国の天工開物の世界観、
ディドロ&ダランベールたち百科全書派の活躍、江戸の博物学・本草学から
モーラの巨人・荒俣宏の蒐集癖まで。モノを尽くす行為のすべてをめぐる。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
マキアヴェリの『君主論』、ホッブスの『リヴァイアサン』、ルソーの
『孤独な散歩者の夢想』から、国家と共同体をめぐる思索がはじまった。
近代の思想的背景を探るとともに、それ以後のナショナリズム論や
大衆意識に視野を広げる。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
「われわれはどんな時代もイデオロギーや主題に惑わされている」。
人間の意識と大衆の幻想を大胆に往還する精神の系譜。
ジャック・ラカン、テイモシー・リアリー、セオドア・ローザク、ジョン・C・リリー
などの著作とともにめぐる輻輳的な意識のコリドー。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
存在への問いは尽きることはない。「世界内存在」のあり方を
探求したハイデガー、生の跳躍を説いたベルクソン、存在の美学を奏でヴェイユ、
実存の自由を求めたサルトル、さらにはシオランの生の絶望から
埴谷雄高のアフォリズムまで、無と存在をめぐる哲学のすべて。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
死してなお痕跡は残る。変わりゆく世相のなかで想いを綴った観察者の随筆。
困難な時代背景のなか苦悩し、それでもなお思索し続けた革命家の記述。
パスカルの断片ノート、モンテーニュのエセー、ニーチェの超人哲学から、
レーニンの革命手記まで、激動の近代を独自に見つめた孤独な痕跡に胸をあずける。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
精緻な方法的アプローチとともに磨かれてきた日本の思想。おもかげとうつろいの国・
日本に影向し生動していたものとは何か。日本の本来に立ち戻ろうとした
仁斎・徂徠・宣長の国学ムーブメント。唐ごころに対する和ごころ。
司馬遼太郎『この国のかたち』などをひもときながら「日本という方法」を探る。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
色即是空、空即是色。仏教の哲学がつくりあげた鍵コンセプトである
「空」の思想史をはじめ、空海、法然、親鸞、道元、一休ら仏教者の思想に
松岡正剛が臨む。『空海の夢』『法然の編集力』とあわせて読みたい
仏教思想セレクション。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
東洋から渡来した禅や密教は、日本で独自の文化システムに発展した。
機を悟り無相の自己を体得する禅の思想、あらゆる概念やイコンを包みこむ
豊穣な密教思想、西洋と東洋の融合を目指した西田幾多郎、田辺元らによる
京都学派の活動など、東洋の方法論とそれを継承した日本での展開をたどる。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
リオタールの「大きな物語の終焉」発言は、新たな思想ムーブメントの到来を
示唆した。監視社会の構造を暴いたフーコー、戦後のリベラルな思想を先導した
ソンタグ、資本主義の危険な兆候を見抜いたドゥルーズ&ガタリなど、
近代主義から脱し、構造をメタに再編集する戦後の思想哲学をふりかえる。
背景画像:障子貼り職人+ライプニッツ手記
ハイパージェンダーとフェミニズムの思想は、”新たな存在学”のための
根本アプローチとしてスキャンダルな注目を浴び続けている。
マルクーゼの『エロス的文明』やノイマンの『女性の深層』をテキストに、
上野千鶴子、ダナ・ハラウェイなどを読む。アンビヴァレントで危うい自由の哲学へ。
No | 著者 | 書名 | ? |
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302 夜 | ハーバート・マルクーゼ | エロス的文明 | |
433 夜 | マルク・ボナール&ミシェル・シューマン | ペニスの文化史 | |
763 夜 | 植島啓司 | 男が女になる病気 | |
875 夜 | 上野千鶴子 | 女は世界を救えるか | |
905 夜 | リーアン・アイスラー | 聖杯と剣 | |
1120 夜 | エーリッヒ・ノイマン | 女性の深層 | |
1127 夜 | リュス・イリガライ | 性的差異のエチカ | |
1140 夜 | ダナ・ハラウェイ | 猿と女とサイボーグ |
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