昭和の作家力
前口上
戦争して砕けて敗れ、占領されて半ば独立し、
とても奇妙な昭和日本が出現した。
この奇妙を諾否もろとも反映した昭和の作家たち。
朔太郎と中也、安吾と織田作、安部と三島、井上靖と清張、
弥生子と髙村薫、泰淳と中上健次、周五郎と澁澤。
いまこそ、その「表意」と「放埒」を読みまくる。
『日本的文芸術』『源氏と漱石』につづく日本文学篇第三弾。戦争と敗戦という未曽有の体験を経た昭和日本の姿をあぶりだす。萩原朔太郎・中原中也といった詩人から江戸川乱歩・澁澤龍彦らシュール不思議作家、『大菩薩峠』などのヒーローものから『細川ガラシャ夫人』などの歴史女性もの、さらには井上ひさし・野坂昭如・高村薫などセイゴオがこよなく愛する作家たちと作品が取り上げられている。
『昭和の作家力』
第1章 中心から逸れて
- 150夜 大手拓次 『大手拓次詩集』
- 665夜 萩原朔太郎 『青猫』
- 351夜 中原中也 『山羊の歌』
- 692夜 斎藤史 『記憶の茂み』
- 1056夜 牧野信一 『ゼーロン・淡雪』
- 599夜 江戸川乱歩 『パノラマ島奇談』
- 1006夜 久生十蘭 『魔都』
- 458夜 大佛次郎 『冬の紳士』
- 534夜 安部公房 『砂の女』
- 968夜 澁澤龍彦 『うつろ舟』
- 847夜 車谷長吉 『鹽壷の匙』