読書の裏側
前口上
一冊の酩酊があれば、一冊の事件もある。
読書は端正なものとはかぎらない。
本は驚くべき殺意も、
ぐさぐさな混沌も、疼くような堪能や
未知の快感も秘めている。
どんな本にも梁や框があるし、
裏口も納屋もある。
世には、そういう裏読みができる
目利きや先達がいた。
そんな「読み」の裏事情を案内したい。
節目となる25冊目は、千夜千冊ワールドの“本丸”ともいえる一冊。本も行間も自在に裏読みできる目利きや先達たちの“読腕ぶり”とともに、内外の鬼才編集者やカリスマ書店主の剛腕、またセイゴオも瞠目する痛快読書ナビゲーターたちの辣腕が鎬を削り合うようにひしめく、筋金入りの本好きのための構成になっている。
『読書の裏側』
第1章 配剤を読む
- 59夜 青木正児 『華国風味』
- 540夜 松原秀一 『中世の説話』
- 111夜 渡辺一夫 『曲説フランス文学』
- 784夜 西脇順三郎 『雑談の夜明け』
- 7夜 ベンチョン・ユー 『神々の猿』
- 128夜 田中正明 『ボドニ物語』
- 1636夜 正木香子 『文字の食卓』
- 1527夜 マイケル・ディルダ 『本から引き出された本』
第2章 暗示と修羅を読む
- 375夜 石田幹之助 『長安の春』
- 336夜 林達夫・久野収 『思想のドラマトゥルギー』
- 472夜 花田清輝 『もう一つの修羅』
- 173夜 四方田犬彦 『月島物語』
- 1054夜 鳥越 信編 『はじめて学ぶ 日本の絵本史』
- 630夜 横山真佐子ほか編 『人生ではじめて出会う絵本100』
- 673夜 ジャック・ザイプス 『おとぎ話が神話になるとき』
- 248夜 ハンフリー・ジェニングズ 『パンディモニアム』