千夜千冊エディション

感ビジネス

前口上

石坂泰三とジョブズが言った、「もう君には頼まない」。
コンサル屋が言った、「御社をつぶしたのは私です」。
昔からビジネスの狙いは、不確実を確実に変えることにあった。
ところが、情報金融資本主義は「たまたま」の函数に乗っていった。
市場は「合理的な愚か者」たちによる「まぐれ」の演出に
引きずられていった。このままで、いいの?
(前口上・松岡正剛)

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編集工学者として多種多様な企業人たちと親交を深めてきた松岡は、千夜千冊においても内外の経営者や創業者にまつわる本をさかんに取り上げてきた。それらの本に、2009年から2011年まで集中的に自由資本主義や経済学に関する本をとりあげた「連環篇」のなかから選りすぐった本を交えて、グローバリズムのなかで揺らぐ日本と世界のビジネス観を鋭く切り取って見せた。

第1章 急に変わってきた

ICTとグローバリズムの急速な拡がりは、ビジネス社会をどう変化させ、歪ませてきたか。なぜ軍事も企業も大学もメディアもビッグを目指し続け、その荷重に喘ぐようになったのか。アメリカンスタンダードとチャイナスタンダードはいよいよ激突するのか。ビジネス観が変貌しつつある21世紀を鷲掴みにする一章。

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第2章 合理的な愚か者たち

ホモ・エコノミストたちの合理に痛烈な批判をあびせたアマルティア・センをかわきりに、数理モデルを操って不確実性とリスクの本質を隠蔽し過剰なグローバリズムを暴走させた金融資本主義の虚妄を暴く渾身の書が並ぶ。ペンキ塗りのブラック・スワンは、いまなおまやかしの不確実性を振りまいている。

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第3章 日本人と会社

前半では江戸の市場経済と商人たちが育んだ日本人独特の「株」や「経済」や「経営」の感覚を振り返りながら、多種多様な日本企業の創業者やルーツを紹介する。後半では破格のメディア王・正力松太郎とともに石坂泰三・本田宗一郎の経営哲学、さらに松岡と「感ビジネス」感を交歓しつづけた福原義春氏を取り上げる。

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第4章 消費と社会の間

最良の稀少性をもたらす「負の装置」が見失われたときから、新しい価値観が生まれにくくなった。ただシステムの存続のために生産と消費が食われ、合理性と効率主義ばかりを追うアングロサクソン・モデルが世界を覆いつくしていった。「感ビジネス」の発動による新しい資本主義の可能性はあるのか。

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『感ビジネス』