千夜千冊エディション

本から本へ

前口上

知り合いの数より、付き合った本のほうが多いなんて、
ぼくのどこかがおかしいか、本がニンゲンより親しみやすいかだ。
本は出し惜しみをしない。本は手持ちを曝してくれる。
ぼくは、本から貰った衣裳と道具と言葉づかいとスタイルで
その本に暗示された遊びに熱中すればいいだけだ。
(前口上・松岡正剛)

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古今のビブリオマニアの書物フェチぶりと、松岡正剛の「編集読み」を堪能させる記念すべきエディション第1弾。「本と交際しなさい」という極意が26冊の本をめぐりながら披瀝される。道元、パスカル、馬琴、バルザック、ポオを相手取って多様な読みを展開し、東西のライブラリアンや愛書家の読書技法を渉猟する。

第1章 世界読書の快楽

松岡が本と接するたびに試みてきた「読み」の手法がつかめる章。道元の『正法眼蔵』をダイジェスト読みして濃密編集し、パンセをさまざまな体験と重ね合わせて読み解く。馬琴とバルザックの物語ワールドモデルに対話型記述で分け入り、『ポオ全集』では作者を12人に分身させることで、多才なポオの謎を明かしていく。

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第2章 書架の森

本を読むには、まず本の生い立ちを知る。書物はいつごろ世界史に登場し、広まっていったのか。古代アレクサンドリア図書館が残した知の脈動から、古代から現代までのライブラリアンと愛書家の系譜、究極の網羅の営みである辞書編纂の歴史をも眺望する。書物と記憶の不可分の関係を綴ったカラザースの千夜は必読。

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第3章 読みかた指南

かつて本は音読されるものだった。最初の『声の文化と文字の文化』と『脳と音読』で、ことばと文字の発生から、オラリティとリテラシーの蜜月と別離の過程をたどる。一本の蝋燭で読みあったという江戸の会読や共読、ユニークな漢文読書法である文選読みなど、かつて多様であった読書のありかたを提示する。

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第4章 ビブリオゲーム

ビブリオマニアが一堂に会する章。狂気的な世界書物空間を描いたボルヘス、記号と暗号に満ちた書物ミステリーを生み出したエーコ、極め付きの書痴ラング、書物を歩く人格にしてしまったブラッドベリという4人の書物狂いの作家たちが並ぶ。最後に電子書籍についての千夜を並べて、書物の未来について考える。

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『本から本へ』