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 ★千夜千冊PRESS★ vol.77 2013年6月25日
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 みなさん、こんにちは。
 千夜千冊編集部より、千夜千冊PRESS vol.77をお届けします。
 1510夜は、歴象篇『〈弱さ〉と〈抵抗〉の近代国学』です。

  柳田は「泣くこと」を、保田は「偉大なる敗北」を、折口は「めめしさ」を。
 この三人には三人三様の戦時思想や国粋主義に対する「抵抗」があり、
 「弱さ」に対する共感がありました。

 底流としてあったのは、宣長が重視した「もののあはれ」であったようです。
 自分自身が限りあるものと感じる「哀れ」と他者のかけがえなさに対する「憐み」。
 呼びかけ、呼びかけられて呼応し、「もののあはれ」を感じるところに
 「やさしさ」が発露すると、本書にはあります。

 柳田、折口、保田、それぞれが考えた
 「やさしさをもった親しげなる共同体」とはいかなるものだったのか、
 まずは当夜案内からご覧ください。

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 ★ 千夜千冊 1510夜(2013年6月18日 更新)歴象篇
 ★ 『〈弱さ〉と〈抵抗〉の近代国学』
    戦時下の柳田国男、保田與重郎、折口信夫
 ★ 石川公彌子(2009)講談社
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  柳田国男は日本の郷土では
  「泣くこと」が重視されるとみなし、
  そこに先祖からのイエが一貫していると見た。
  折口信夫は日本人の歌や物語に
  「たおやめぶり」があることを誇り、
  その「めめしさ」にこそ
  生命の輝きが認められると主張した。
  保田與重郎は古来の言霊のはたらきに注目し、
  そこには「偉大な敗北」がうたわれていると見た。
  いずれも軍国主義日本の戦局のなかでの思索である。
  いったい柳田・折口・保田は
  日本の来し方行く末に何を凝視したかったのだろうか。
                          ┛

【当夜案内(千夜千冊編集部より)】

 「安心して死ねるやうにしていただきたい」。
 敗色濃厚な昭和20年、陸軍による文化芸能団体の協力を要請する会合での
 折口信夫の発言である。折口のことばは、宣長の「やまと心」や平田篤胤の
 「やまと魂」を忠君愛国や皇軍精神としていた軍部にとって、まさに「めめ
 しい」発想であり、唾棄すべきものであった。

 しかし、宣長が説いた「やまと心」は「ますらおぶり」ばかりではない。
 「もののあはれ」と「風雅」を重視し、古と今とを二重多重に結びつけるこ
 とをこそ説いたのだ。密接につながっているはずの本来と将来を安易に切断
 してしまえば、「思ひやり」がこの世から欠如すると見ていた。
 また、世の中には「あらはれごと」(顕事)と「かくりごと」(幽事)があ
 り、見えている世界と見えないものとは組み合わさって動いていると考えて
 いた。このデュアルスタンダードは、幕末維新から近代ナショナリズムの勃
 興にともない、失われた。

 「新国学」といえる日本民俗学をスタートさせた柳田国男は、『先祖の話』
 で「生者の無念をはらす」という方法を語り、『赤子塚の話』で拾い親が捨
 て子を育てることを評価し、『涕泣史談』において「泣くこと」を積極的に
 肯定した。「弱さ」に着目した“常民の民俗学”をつくりあげようとした。

 保田は、「所思のうら」を「言」とする表現力である「倒語」を重要視した。
 上代で神と人とが「同殿共床」にあったのが「神人分離」していったいま、
 われわれはその理想と分解の「悲しみ」をうけ、日本語の表現史のなかから
 倒語や言霊や「もののあはれ」を見いだしていかなければならないと語った。
 戦局が進行すると、保田は「偉大な敗北」を謳うようになり、まさに「弱さ」
 の究極に思いを寄せていく。

 こうした保田の偏重を心配していた折口は、迷走する過剰な日本主義のなか
 で、一貫して独自の「日本という方法」をめぐる思想を紡いでいく。マレビ
 ト、ミコトモチ、たおやめぶり、たまふり・たましずめ。折口は、方法日本
 とともに、他者や異郷との交感に日本人の心情の親密圏を求めていったのだ。
三者三様の「擬」(もどき)のインターフェースから私たちは何を受け取れ
 るであろうか。

     http://1000ya.isis.ne.jp/sp077

━TOPICS━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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 次回は6/30(日)。詳細はこちらからご確認ください。
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 ISISとは、「Interactive System of Inter Scores」、
 相互記譜型編集交換システムのことです。互いの編集スコアを対話型に交し合い
 ながら(インタースコア)、編集術を磨いていくネット上の編集稽古なのです。

 イシス(IS・IS)の編集稽古をとおして、
 もうひとつの「Intimate Spere」(親密圏)ともいえる「IS」が、
 生まれていくのもイシス編集学校の大きな魅力のひとつになっています。

 百聞は一見にしかず。
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   日時:6月30日(日)14:00~15:30
      7月13日(土)14:00~15:30
   場所:世田谷区赤堤2-15-3 ゴートクジISIS
   参加費:無料
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  ◎日刊セイゴオ「ひび」◎ 2013年6月20日(木)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  田中優子との岩波対談集のための第一回収録。日本の内と
  外の謎を解きうる視点を、古代から近代まで十数スコープ
  あげる。「折り畳む日本」と「擬く日本」が浮上した。
 ┗───────────────────────────┛

 古代から近代まで、日本はどのように内と外を意識し、
 どのように外をとりいれ、内としてきたのか。
 対談からは畳んでおいたり、もどいてみたりという「方法日本」が
 見えてきたようです。

 以下の千夜をご参考までにどうぞ。

 721夜『江戸の想像力』田中優子
 http://1000ya.isis.ne.jp/0721.html

 1188夜『「縮み」志向の日本人』李御寧
 http://1000ya.isis.ne.jp/1188.html

 1271夜『神と翁の民俗学』山折哲雄
 http://1000ya.isis.ne.jp/1271.html

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